この世はでっかい宝島

ツイッターで友達が以前、脱皮中の蝉の写真を何枚かアップしてみせてくれた。やっぱり途中は青白くて、晒されてひりひりする感じ。生まれたての若い皮膚で、じっとして飛び立つときを待っている。完全無防備、まだ羽も全部殻から抜け出ていないのだし、捕食者にとっては絶好の獲物…!

よく自分の殻を打ち破れ!みたいなの言うけど、やっぱちょっと怖いよなあ。でも私は無理しちゃう事がある。望んで負荷をかけるきらいが。その量、適宜であれば一皮むけるが、勿論よく失敗する。深爪が巻き爪になる。一番は性向がせっかち。時間が無いと感じる。別に絶望してないし、幸いな事に多分健康だし、生き急いでるとかじゃない。けど眠りについてる自分を意識出来ない…コントロール出来ないので、だから明日朝起きる保証もない、と思ってしまう。これある種痛い一期一会思想だろう。

「与えられた毎日を精一杯生きよう」じゃない。違う。そんな素敵なんじゃない。もっと身もフタもない…例えば、コンビニの秋の限定商品のお菓子、ダイエットはしてるけど、来年にはもうこれらの幾つかには会えない間違いなく…そのときの私は間違いなく悲愴なほど真摯に、一期一会を考えている。滝に打たれるほどに。まっすぐに進む王道の輝かしさではなく、十重二十重の煩悩の煌めきを臆面も無く放ち続ける。その姿は滑稽きわまりないが、頓着しない。恐らく老人になっても、体の動く限り、アドベンチャー志向でぐいぐいと!ガンガン打たれながら。ペール・ギュントはずっと、この世はでっかい宝島、だと思ってたに違いない。

明日からちりとてちんのふるさと若狭へ出張します。「喜代美ぃお前はぎょうさん笑え!」って感じで笑ったり笑ってもらったりしたいです。