漠然としたイメージから確固たる決めつけへ

絵は出来上がったものの、「あ、これ後日私がお渡ししておきますわ」と言ってた担当営業さんが居ない。もう帰らないといけないので事務の女性に預かってもらう事にする。「あのぅ、お名前ど忘れしちゃったんですけど、ぽっちゃりした可愛い感じの方で…」と言ったらあの人この人いろいろ指さすが、いない。「誰かしら、若い感じの?」「いえ…そんなに若くは…もうちょっとベテランな感じで」「うーん…」と考え込んでいるのを見て、時間も無かった私は無慈悲にも「あの、渡鬼のお父さんみたいな」と言ってしまったが「ああ!わかったわ!Aさんに間違いないわ。大丈夫お渡ししておきますよ」と、最初からそう言ってくれたら、みたいなノリで笑いながら受け取ってくれた。

帰途についた私はしかし、芋洗係長の方がよかったカナとか考え続けた。いや違う、芋洗坂係長だ。正確に言えば小浦一優という名前の。