関西弁

ダマーお勧めの「ソクラテスの弁明(関西弁訳)北口裕康訳」読了。こんな性格じゃ友達居なそーと思いながら読み進めたが、従容と死を受け入れ、逃亡を勧める親友を説得する態度には漢を感じた。彼こそ憂国の士、本当に国を愛していると言えるだろう、法が、国が今まさに彼を殺そうとしているのに…!盲目的に身を捧げるという類いの愛国心ではなく、自分を生み育んでくれた国が制定した法を、身を以て遵守する、ということに命をかけてこだわってるわけで。そんな自分の考えを隙間なくクリアに。

それはともかく、関西弁の威力。結局とても優れた説法、隙のない正論なので、お笑い風味、商店街のおっちゃんのしゃべくりで言われた方がやっぱり温かく、とぼけていて受け入れやすい。そしてちょっとせつない。書籍じゃなくて、ひとが居る、って感じが。

”さて、もう終わりにしましょ。時間が来ました。わたしはこれから死ぬために、みなさんはこれから生きるために、この場を後にせんとあきません。そのどちらかが善い運命に出逢うかは、神以外、誰にもわからへんのです。”

<失われた祖父シリーズ5>
私の作文を取り上げて「おじいちゃんは、きょうさいかです。だって。きょうさいかです、だって〜」と嬉しそうに叫び回っていた