上っ面で祝おう!

最寄り駅はカフェや雑貨店が目立つ女子大生の街で、そのスイーツショップも激戦区の一角にある。おフランス帰りのシェフ様がプロデュース、マカロンはもとよりケーキもひとつ六百円〜とちっと高めで、お茶するんでもケーキセットもない。オシャレこの上ない。ただいつも残念なのが、ショーウィンドウがいつも格好悪いのだ…。イミテーションのマカロンタワーにラッカーを吹き付けたり、美味しく無さそう。お菓子をちっとも愛してない感じがするんだよ。融合に失敗してる。

カラ・ウォーカーというアフリカンアメリカンのアーティストが居る。有名かどうかは分からないし、ググってみても、「切り絵ってならもっと上手い人が居る。」なんてコメントをみる。彼女は切り絵アーティストではない。白と黒のコントラストで奴隷制を告発するのだ。一見楽しげな影の行軍、そのかたちをよく見ると苦いものが胃より下からこみ上げてくる。

一昨日その店の前を通りかかって足を止めた。白をバックに交錯する濃いピンクと金色、その前を楽しげに舞い踊る影たち…その反っくり返りっぷり、ステップを踏む感じ、流れるような行列のライン、すごく彼女を思い出したのだが、どこにも告発の影は無い。コピーではない、そこまで堕ちてないと思いたい。私の思い込みか、とてもよく真似た、あるいはオリジナル…であるというなら様々な思惑を経てすっかり擦り切れてしまった、クリスマスフェア。