うさぎ

今は亡き父は幼児の扱いがヘタで、まあ若かったから仕方ないんだけど、捕獲したウサギを掴むように私をひっくり返して頭を洗ったので、大分大きくなるまで私は髪を洗う際にぎゅっと堅く目を瞑っていた。あらがえないで翻弄されるというのは本当に不安になる事です。自分が客体になるというのは。

というのは、昨日レースの帰りに寄った銭湯で火がついたように泣きわめく声を男風呂から聞いたからです。延々続くのを番台の女の子は微笑ましい笑顔で聞いていたが、私はそこまで鷹揚ではないので懸命に「円谷プロは黎明期にスタッフの赤子の泣き声で怪獣の声を作ったそうな」などとダマーに話しかけたがダマーは「デスメタル」と言っていた。

レース自体は道が平坦で調子良かった。あと一、二キロ走れそうかなと思ったくらい。勿論過信は禁物だが…打ち上げの際のアルコールが効きすぎたか足が痛くなって、湯たんぽ作ってもらって寝た。