第一線

先日のショッピングモールでは、若い同僚と一緒だった。現役美大生の男女二人。おそらくクラスメートか同じゼミ。私が三人目として入ったことを知らされておらず「聞いてないyo!」とダチョウ倶楽部のような台詞を吐きむくれていたので、その日は出来るだけクールに過ごす決意をした。見本をイーゼルに飾るのだが、「二人分しか無くて使っちゃいましたぁ〜すみません〜」の声を尻目にボスに電話、倉庫の鍵を借りる算段をし、全体の売り上げを伸ばすようなデコレーションを提案し、イーゼルを増やし、そこに居ない仲間の噂や批評で盛り上がる二人をよそに帰るまで私語を一切せず過ごした。営業時間ギリギリまで粘る二人にお菓子を差し入れて、早あがり。お腹減るからね。(ここで終わればクールこの上なかったが、後でボスに報告の際目一杯自分目線の告げ口をした。ボスは軽く慰めの言葉を言って早々に話を切り上げた☆)

自分の子供と言ってもいい年齢の人たちと上下なく全く横並びで競合して仕事するというのはどういうもんだろう…。昨日今日と、同業で同世代かやや上の女性たちと話をする機会があったので、話題に出してみた。年上のひとは、敢えて同世代のみと限定する希望を出すと言っていた。もっと年上では引退したひともいると。それには、絵が古くなる等センスの問題、疲れ易くなる等体力の問題、等があると。どれも頷ける。私は自分の衰えに鈍感な方だが、やっぱりある。偉いから、出来るからじゃない理由で、選んでいる。選ばざるを得ない。で、どんどん選択の幅が狭くなる…

私はその日帰る時点では、売り上げは一番有った。もう少し居よう…。場合によっては悪あがきだが、私にとっての社会性は、今はここにある。