ゲージとグラデーション、クリティカル・パス

「いき」の構造の感想文、提出時にタイトルに「ゲージ」という言葉を使ったのに、本文で全く触れませんでした。クリティカルパスについても質問戴きましたので、それを。

文中に色の推移、明度と彩度の比較があって、Kさんの仰るように、その中に「いき」のポイントがあります。グラデーションというのはここで言うと、色の連続的な変化を客観的に観察した「階層」ですが、一方向的ですー例えば、「白から黒へ」反対に「黒から白へ」その図をみると、視線こそリバース可能ですが、言葉の意味としては単一方向だと思います。

ゲージ、物差しという言葉。数値の変化を柱状グラフの形式で表したもので、グラデーションと同じじゃないかと…どこが違うかというと計量器というその性格です。手で具体的に測る、AからBへ、またBからAへ、自在に測れるわけです。リバースは視線だけじゃなく、人が主体的に意思を持って計測するという意味合いでこちらを使いました。

「いき」を決めるのはその時代に生きている人の「行動」で、相対的です。絶対的ではない。例えば鼠色、茶色、紺色と、「いき」の色が具体的に挙げられていますが、「いき」の要は、その着こなし、着る人のセンスです。そしておそらく推察ですが、作者が叶わないとした、もし「いき」を海外に求めるならばという命題、それはそこの文化に即した形で無ければならず、上述の色も無頓着に身につければ転じて野暮となる怖れがあります。日本の「いき」が外国では通じない。フランスは国旗にも使われているトリコロールカラー、あれは「自由・平等・博愛」という歴史/文化的意味がありますが、私は前の感想文で詳しく書けなかった色相/文化をここで考えました。

ロシュフォールの娘たち」でも観るか…クリティカルパスについてはまた後日。