研ぎすまされた筋肉ん

avocadobanana2011-02-03

先日、K大学読書会に無理矢理参加させてもらったのは、選書。「藝術とは何か」だったから。(恥ずかしながら、福田恆存という著者のことはそれまで何一つ知らなかった。)

薄い本だけど難しい言葉ばかりで、なのに、さらりと読めてしまった、と言った人が居た。私もそう。直前に別の読書会で「学問のすゝめ」を読んだのだが、正論の繰り返し、お説教のように感じて読了するのがキツかった。普遍的なテーマだからこそなのかもしれないが…

福田恆存氏の文章は、皮膚を取り去った、鍛え抜かれた筋肉のようだ。活きて、ひりひりする。脈打つ血管、その奥の骨。古代の神殿の荘厳で太い柱を抜けていく、風。ウロボロスペドロ・コスタ、ACOP。K嬢がやや唐突に映画の話をしだしたが、皆じっと聞いて、質問する。「なぜ今その映画を?」とは訊かない。四人で思い切り脱線し、笑い、感心し、疑問を持ち、楽しい時間を過ごした。でも、振り返ってみると本題からそんなに外れてなかったように思う。

驚いたのはK大学では学部生の頃から哲学科でもないのにサイードとかフーコー等を読まされていることだ…それくらいは普通なの?