つらら

年々降雪量は減ってきたとはいえ、年の半分は雪がある風景。少なくとも記憶の中では。粉雪の舞う日が始まり、それが間断なく続き、湿り気と重みを帯びて、空は暗く街は鉛色に。たまの日差しが暖かいな、と思っても、黒く汚れた雪の残りは入学式を過ぎてからもいじましく道路にすがりついている。いつもわざとコンクリ塀のすぐ隣を好んで歩いた、溶けた雪はまた凍るのを繰り返してどんどん積み上がるけど、たまに踏み外すと沈み込んだ目線が本来の身長に戻る。

つららは別に美味しくない。雨水のフツーの味。放射能が入っていると聞いてから止めた。よく殺人事件の凶器が無いナゾナゾというとオチがつらら。凍った肉もあるよね、その後食べちゃう。