愛されるよりも、愛したい、ま、じ、で。

「人を褒めるのはタダだから」と母も従姉妹殿も言う。それは尤もだ。褒めあうって人間関係の潤滑油だし…。でも、私は褒めるのも褒められるのも下手。慣れずぎこちない。わ、いいな、好ましい。と思っても、適切な表現やリアクションがとっさに思い浮かばない。「すごーい、きれーい、かわいーい、すばらしーい」なんてフレーズ、私は絶対に選びたくない。

それは多分にちょっと遺伝みたいなもので、例えば私の愛すべきだけどなかなか愛せない祖父。ある日習字の練習をしてた小学生の私に「うーん、「つ」と「り」が上手い。それだけ書け」と言いおいて去った。私は「つり」と書かれた半紙を果てしなく生み続け、あげく祖父はその事を忘れてしまった。

だが祖母による後年の回想によると、後で沢山の「つり」を床に神経衰弱のように並べて「あの子はああいう子だから」と繰り返していたという…それが祖父の賞賛だったのだと。…なんてわかりにくい!そして未だにわからない!

今、在宅でも似顔絵を受けたりしてるけど、お客さんの「最高に上手で可愛く仕上げていただきありがとうございます。」って言葉はとても嬉しかった。最高、なんて表現、何も工夫が無くて普段は引くと思うんだけど、不思議。なぜ心に届くのだろう?

<追記>多分、私がその仕事に自信があったからだと思う。傲慢だが、喜んでもらえる確信があった。その顔が目に浮かぶほど。だから、その言葉を信じられる。それは受け手の問題で、彼が本当にそう思っているかどうかはわからないけど。