カピカピしてても

ダマーが今週は土日も働き詰め。弁当が昼夜支給されるのだが、余るとお土産に持って帰って来てくれる。今日は数個余ったのを私に一つ、同僚の先生が子供さんに二つ持って帰ったそうだ。このあっさりした幕の内はご飯がカピカピ冷めてようととても嬉しい。嬉しいでしょ?子供たちなんか飛び上がるほど喜んでるだろうなあ、というと「ええ〜?」なんてリアクションが返って来たので幼い頃の思い出を話す。爺さんがまだ元気だった頃は道場にオトナも子供も通って来ていて、定期的に宴会が道場で稽古の後で開かれた。酒とタバコ臭い部屋を覗くのは禁止されていたけど、終わった後に残り物の冷めた寿司をつまんだりするのはとっても楽しかった。カピカピしてても。

爺さんが可哀相だったなあ今思うと、というと「何で?」と聞くので、その宴会は爺さんの健康と道場が寂れていくにつれ開かれなくなり、あと切れ切れに覚えているので、同じ道場の午後の日だまりで誰かが山で穫って来たというカモの羽をむしっていた姿、是非その綺麗な羽をみたいと思って近づいたら汚いからと叱責されたこと、腰痛の為に私と弟がゆるんだ老肉の背中に軟膏を塗らされた事、それらが全てイヤだった事…段々死んでいくようでなあ。

「いや全くどこが可哀相かわかんないんだけど」私の話す事はいつもオチが無い。