深く浅く、そしてケチ

多分、イージー、のひと言に尽きる。出張営業をする度に主に母親くらいのオバ樣方から(しかも化粧がむやみに濃い)「いいわね、お金もらって絵が描けて、人様のお陰で上手くなって」的なことを言われるのだが、毎回そのヒトが立ち去ってから(こういうヒトはお客にはなってはくれない。暇つぶしか憂さを晴らしにくるだけ)「はっあれは嫌みだったのか?!」と愕然とするのに遅れを取る。頭の回転が遅いのだ。そして自慢にも(タクの息子は油絵を描いていて海外にも行って、個展も度々してて、等々)つい本気で「はぁ〜すごいですねえ」(そりゃすごいや、と心から思うから。)と言ってしまって、後で「しまった、乗せられた、褒めてしまった、損した!」(言った事が本当かどうかわかんないな、と思い返したりするから)となる。

作業をしていると言葉の裏を読むまで神経はいかず、言葉の表面だけで適当に受け答えしているせいでもある。浅いなあ。

たいがい満足げに大人しく去るので、余計な波風や悪い後味が残るよりいいのかも知れないが、つい「損した!」と思ってしまうのがケチくさい。自分の側に少し他人の憂さが残るのがイヤなんだ。笑い飛ばすとか受け流すとかの器量が無く、思い出しては手のひらの上でしばらく転がしてしまう。ああ小さいさ。

面白いよこのシゴト。私は正面から受け止めてしまいがちなので、いい修行かもしれない。

追記:自己評価が高すぎる(当社比)から損したと思うのだろう。